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人工血管置換術(Total arch)とは?適応疾患・手術手技・脳保護・合併症・術後管理まで解説

心臓手術
心臓血管外科コラム|大動脈弓部手術

人工血管置換術(Total arch Replacement:全弓部置換術)は、大動脈弓部に発生した 大動脈瘤大動脈解離などの重篤な疾患に対して行われる高度な心臓血管外科手術です。 本記事では、手術の概要、適応疾患、半弓部置換術との違い、Frozen Elephant Trunk(FET)技術、術前評価、術中管理、脳保護戦略、合併症、再手術、退院後の流れまで分かりやすく整理します。

この記事の要点
  • 人工血管置換術は、大動脈弓部の動脈瘤や解離など、生命に関わる大動脈疾患に対して行われる手術です。
  • 大動脈弓は、脳・頭部・頸部・腕へ血液を送る重要な枝血管が分岐する部位です。
  • Total arch Replacement(TAR:全弓部置換術)は、大動脈弓全体の病変を対象とする手術です。
  • 若年者、大動脈弓拡大、大動脈弓上血管の重度解離、遺伝性大動脈疾患などでは、TARが選択されることがあります。
  • 手術中は、脳梗塞などの神経学的合併症を防ぐため、低体温療法・選択的脳灌流・脳波モニタリングなどの脳保護戦略が重要です。
  • 主な合併症には、出血、腎不全、呼吸不全、脳卒中、手術部位感染、人工血管感染、再発する大動脈疾患などがあります。
  • 術後は、心エコー、CT、MRIなどによる定期的なフォローアップと、必要に応じた心臓リハビリテーションが重要です。

人工血管置換術(Total arch)の概要

人工血管置換術(Total arch)とは?

人工血管置換術(Total arch Replacement:全弓部置換術)は、大動脈弓部に発生した動脈瘤や解離などの病変部分を切除し、人工血管に置き換える手術です。 大動脈弓部は、脳・頭・首・腕へ血液を供給する血管が分岐する重要な部位であるため、手術では病変の修復だけでなく、脳や中枢神経系への血流を守る管理が非常に重要になります。

人工血管置換術は、大動脈弓の病変を持つ患者さんに対する複雑な手術です。 この手術は、大動脈弓部に発生した動脈瘤、つまり血管の異常拡張や、解離、つまり血管の内膜の裂け目などの重篤な状態を治療するために行われます。

大動脈は体の主要な血液供給血管であり、心臓から腹部に向かって伸びています。 大動脈弓は、上行大動脈と下行大動脈の間の頂点に位置し、脳、頭、首、腕へ血液を供給する血管が延びています。

大動脈

心臓から全身へ血液を送り出す、体内で最も重要な血管の一つです。

大動脈弓

上行大動脈と下行大動脈の間に位置し、脳・頭・首・腕へ血液を送る枝血管が分岐する部位です。

動脈瘤

血管壁が弱くなり、血管が異常に拡張した状態です。破裂すると生命に関わる可能性があります。

大動脈解離

大動脈の内膜が裂け、血液が血管壁の中へ入り込む状態です。破裂、不全灌流、心タンポナーデなどにつながることがあります。

大動脈弓部疾患の背景

大動脈弓部の疾患は、動脈瘤解離などが主な原因であり、これらは血管壁の弱化によって起こります。 特に、大動脈解離は生命を脅かす病気であり、心タンポナーデ、破裂、不全灌流などを引き起こす可能性があります。

心タンポナーデとは、心臓を取り巻く液体の増加などによって心臓が圧迫され、十分に血液を送り出せなくなる状態を指します。 不全灌流とは、臓器や組織へ十分な血液が届かない状態です。 これらの状態は、病院死亡率が高いことで知られています。

大動脈弓部疾患が重篤化しやすい理由
  • 大動脈は全身へ血液を送る主要血管であるため、破裂や閉塞が起きると生命に直結しやすい
  • 大動脈弓部には脳へ向かう血管が分岐しており、血流障害が脳卒中や神経学的合併症につながる可能性がある
  • 解離が進行すると、破裂、不全灌流、心タンポナーデなど複数の危険な状態を引き起こす可能性がある

手術の適応症

人工血管置換術は、大動脈弓部における重篤な動脈瘤や解離を治療するために必要な場合があります。 この手術の目的は、大動脈の病変部分を人工血管で置換し、破裂や不全灌流のリスクを減少させることにあります。

主な適応疾患

  • 大動脈弓部に発生した重篤な動脈瘤
  • 大動脈解離
  • 大動脈弓部に関連するその他の重篤な疾患
  • 大動脈弓の拡大を伴う症例
  • 大動脈弓上血管に重度の解離がある症例
  • 遺伝性大動脈疾患を有する患者さん

大動脈解離における手術の重要性

大動脈解離は、大動脈の内膜が裂けて血液が大動脈壁内に入り込むことで生じます。 これにより、内膜と中膜の間に新たなルートが形成され、最悪の場合、大動脈破裂に至る可能性があります。

特に、大動脈解離がある場合、主に上行大動脈における原発部位に対して行われる裂孔指向手術が推奨されます。 これは、病変を直接的に修復することを目的とした治療方針です。

半弓部置換術(HAR)と全弓部置換術(TAR)の違い

半弓部置換術(HAR)は、主に上行大動脈のみを対象とする手術です。 一方、全弓部置換術(TAR)は、大動脈弓全体の病変を対象とした手術です。 どちらを選択するかは、病変の範囲、患者さんの年齢、血管の状態、解離の広がり、遺伝性疾患の有無などを踏まえて判断されます。

項目 半弓部置換術(HAR) 全弓部置換術(TAR)
主な対象範囲 主に上行大動脈から大動脈弓の一部 大動脈弓全体
特徴 病変範囲が限定的な場合に選択されることがあります。 大動脈弓全体の病変や、広範囲の解離・拡大がある場合に選択されることがあります。
問題点・注意点 新たな吻合部解離の発生や、長期フォローアップ中の遠位大動脈の不良なリモデリングが問題となることがあります。 手術範囲が広く、脳保護、循環管理、体外循環管理など高度な術中管理が必要です。
選択されやすい条件 病変が限定的で、全弓置換までは不要と判断される場合。 若年者、大動脈弓の拡大、大動脈弓上血管の重度解離、遺伝性大動脈疾患など。

半弓部置換術(HAR)の問題点

半弓部置換術(HAR)は、主に上行大動脈のみを対象とする手術ですが、新たな吻合部解離の発生や、 長期フォローアップ時の遠位大動脈の不良なリモデリングが問題となります。 これらの問題は、特に長期的な観点から見ると、患者さんの予後に悪影響を及ぼす可能性があります。

全弓部置換術(TAR)の選択基準

全弓部置換術(TAR)は、大動脈弓全体の病変を対象とした手術であり、特に以下の条件を持つ患者さんに推奨されることがあります。

  • 若年者
  • 大動脈弓の拡大が見られるケース
  • 大動脈弓上血管に重度の解離がある場合
  • 遺伝性大動脈疾患を有する患者さん

近年では、商業的に利用可能な冷凍エレファントトランク技術の出現により、TARの適用が加速されています。 この技術により、遠位吻合部の作成が容易になり、遠位大動脈リモデリングの改善が促進されると考えられています。

術前準備と患者評価

人工血管置換術では、術前の評価が成功に向けた重要なステップです。 特に、心機能の評価と血管の状態の確認は、手術リスクを低減し、最適な治療戦略を立てるために不可欠です。

前準備と患者評価

患者さんの全身状態の評価として、血管の状態や心機能の精密な検査が行われます。 これには、画像診断による大動脈の詳細な評価や、心エコーによる心機能のチェックが含まれます。

評価項目 主な検査・確認内容 目的
心機能の評価 心臓エコー、特に経食道エコーなど 大動脈の状態、心臓弁の機能、心室機能などを確認し、手術中のリスク評価と手術戦略の決定に役立てます。
血管の状態の確認 CT、MRIなどの画像診断 大動脈弓の解剖学的特徴、動脈瘤の有無や大きさ、大動脈壁の厚みなどを把握します。
全身状態の評価 血液検査、臓器機能評価、既往歴確認など 出血、感染、腎不全、呼吸不全などの術後リスクを事前に評価します。

心機能の評価

心機能の評価には、心臓エコー、特に経食道エコーが広く用いられます。 経食道エコーにより、大動脈の状態、心臓の弁の機能、心室の機能などが詳細に観察されます。 この情報は、手術中のリスクを評価し、手術戦略を決定する上で重要です。

血管の状態の確認

大動脈の詳細な画像診断は、CTやMRI検査を用いて行われます。 これにより、大動脈弓の解剖学的な特徴、動脈瘤の有無や大きさ、大動脈壁の厚みなどの情報が得られます。 大動脈の状態を正確に把握することで、手術の方法やアプローチを適切に選択することが可能になります。

手術手技と手順

大動脈弓置換術は、大動脈弓と呼ばれる、心臓から上半身へ血液を送る重要な血管を人工血管に置き換える手術です。 脳や中枢神経系への血流を維持しながら、体外循環を用いて複雑な手術が行われます。

伝統的な手術手技

従来の大動脈弓置換術には、以下の3つの主要な手技があります。

手技 概要 補足
島状技術 大動脈弓を複数のパーツに分けて切除し、それぞれ人工血管で置き換える方法です。 患者さんの病変範囲や血管形態に応じた選択が必要です。
分岐グラフト技術 大動脈弓から枝分かれする頭蓋腕動脈を含めて一括で置換する方法です。 弓部分岐血管への血流再建が重要になります。
「Spielvogel」三岐グラフト技術 分岐グラフト技術をさらに改良し、3つの枝分かれを持つ人工血管を用いる方法です。 大動脈弓部の複雑な血流再建に対応するための手技です。

それぞれの技術には長所と短所があり、患者さんの状態や病態に合わせて最適な方法を選択する必要があります。

比較的新しい手術手技

近年、低侵襲性の手術を目指して、開胸手術とカテーテル治療を組み合わせた方法など、革新的な技術が開発されています。

手技 概要 期待される利点
ハイブリッド手術 開胸手術とカテーテル治療を組み合わせることで、体への負担を軽減する方法です。 病変の範囲や患者さんの状態によって、手術負担の軽減が期待されます。
EVAR 血管内治療の一つで、小さな切開からカテーテルや治療器具を挿入して行う大動脈修復術です。 特に下行大動脈の治療において有効であり、手術時間短縮や合併症リスクの低減が期待できます。

Frozen Elephant Trunk(FET)技術

Frozen Elephant Trunk(FET)技術は、大動脈弓と下行大動脈を含む広範囲の病変を治療するために開発された技術です。 従来の人工血管とは異なり、遠位端が象の鼻のように長く作られた人工血管を用います。

この技術により、遠位吻合部の作成が容易になり、遠位大動脈のリモデリングも改善されると考えられています。 また、将来的な追加手術の必要性を減少させる効果が期待されます。

FET技術で期待される利点
  • 手術時間の短縮
  • 遠位大動脈の血流改善
  • 遠位吻合部の作成の容易化
  • 遠位大動脈リモデリングの改善
  • 術後合併症リスクの低減
  • 将来的な追加手術の必要性を減少させる可能性
FET技術の注意点

FET技術は有用性が期待される一方で、比較的新しい技術であり、長期的な成果については今後も検証が必要です。 患者さんの病態、年齢、血管形態、合併症リスクなどを踏まえて、適応を慎重に判断する必要があります。

術中管理:脳保護と循環管理

人工血管置換術では、血管へのアクセスや血流の一時的な停止が必要となります。 これにより、脳への血流が低下し、脳梗塞などの神経学的合併症が生じるリスクがあります。 そのため、脳保護戦略と循環管理が非常に重要です。

脳保護戦略管理

脳保護戦略 内容 目的
低体温療法 体温を人工的に低下させることで、代謝率を下げます。 脳組織の酸素や栄養素の需要を減少させ、脳虚血に対する耐性を高め、神経学的合併症のリスク低減を目指します。
選択的脳灌流 特定の血管を通じて脳へ直接血液を供給する方法です。 手術中に脳が十分な酸素と栄養を受け取れるようにし、脳保護効果を発揮します。
脳波モニタリング 手術中の脳活動を監視します。 酸素供給が不足している兆候を早期に検出し、脳虚血の発生を予測して適切な対応につなげます。

循環管理

循環管理は、人工血管置換術における重要な課題です。 大動脈手術中は、体外循環装置、血圧管理、血液製剤の管理などを組み合わせて、臓器への血流を維持し、出血や臓器障害のリスクを抑える必要があります。

管理項目 内容 重要性
体外循環装置の使用 心臓や肺の機能を一時的に代行し、手術中の血流を維持します。 低体温療法や選択的脳灌流と組み合わせることで、より効果的な脳保護が可能となります。
血圧管理 手術中および術後の血圧を安定させます。 過度な血圧変動は、新たな大動脈解離のリスクを高める可能性があるため、理想的な範囲内に保つことが重要です。
血液製剤の管理 手術中や術後に、必要に応じて血液製剤を使用します。 出血リスクを管理し、適切な凝固機能を維持するため、個々の患者さんの状態に応じた製剤使用が必要です。

人工血管置換術(Total Arch Replacement)の合併症とその管理

人工血管置換術は生命を救う可能性がある一方で、いくつかの合併症を伴うことがあります。 以下に、一般的な合併症と特異的合併症、それらの管理方法について整理します。

一般的な合併症

合併症 説明 主な管理策
出血 手術中や手術後の出血は、人工血管置換術における最も一般的な合併症の一つです。 手術前の詳細な評価と血液製剤の準備、手術中の出血箇所の迅速な同定と修復、血液凝固因子の管理が重要です。
腎不全 手術中の長時間の低血圧や血流の減少により、腎不全が発生する可能性があります。 適切な血圧維持、輸液管理、必要に応じた腎代替療法の早期導入が挙げられます。
呼吸不全 手術後の呼吸器合併症は、肺の機能低下を引き起こすことがあります。 呼吸リハビリテーションや早期の呼吸器サポートが予防・管理策に含まれます。
脳卒中 血管内手術中に脳への血流が一時的に減少することで、脳卒中が発生するリスクがあります。 適切な血圧管理、脳保護薬の使用、血管内手術中の脳モニタリングなどが含まれます。
手術部位の感染 手術部位の感染は、長期にわたる回復過程を遅らせる可能性があります。 手術前後の抗生物質の投与、無菌技術の徹底、手術部位の適切なケアが必要です。

合併症管理で重要な考え方

  • 術前から凝固状態、腎機能、呼吸機能、心機能を確認しておく
  • 術中は出血量、血圧、脳血流、体温、凝固機能を継続的に評価する
  • 術後は感染、出血、腎機能低下、呼吸状態、神経症状を早期に把握する
  • 異常があれば、血液製剤、抗菌薬、呼吸器サポート、腎代替療法などを患者さんの状態に応じて検討する

再手術の必要性とタイミング

人工血管置換術後であっても、人工血管の損傷や感染、再発する大動脈疾患、隣接部位の新たな病変などにより、再手術が必要になる場合があります。 再手術の必要性とタイミングは、患者さんの健康状態、合併症の種類、病変の進行度によって判断されます。

再手術が必要になる主な理由

人工血管の損傷や感染

人工血管が物理的なストレスや長期間の使用により損傷することがあります。 これは、血管の狭窄や閉塞、さらには破裂のリスクを高めます。

また、人工血管が感染すると治療が困難であり、時には緊急の再手術が必要となることがあります。 感染は局所的なものから、全身性の重篤な状態に至るまで様々です。

再発する大動脈疾患

大動脈疾患は再発する可能性があります。 特に、手術を行った領域の隣接部位で新たな病変が発生することがあります。 これは、元々の疾患の進行や新たな疾患の発生によるものです。

再手術のタイミングを決める要素

判断要素 確認内容 考え方
患者さんの健康状態 心臓、腎臓、呼吸機能、全身状態、合併症の有無 手術に耐えられる状態かどうかを総合的に判断します。
合併症の種類 人工血管破裂、重篤な感染、閉塞、狭窄など 緊急を要する合併症では迅速な対応が必要です。
病変の進行度 CT、MRI、心エコーなどによる画像評価 定期的なフォローアップにより、再手術が必要なタイミングを事前に予測し、計画的な手術につなげます。

定期的なフォローアップと医療画像診断の重要性

定期的なフォローアップと医療画像診断は、再手術の必要性とタイミングの評価において不可欠です。 これには、心エコー、CT、MRIなどが含まれます。

フォローアップのスケジュールは、患者さんの状態やリスク因子に基づいて個別に計画されます。 一般的には、手術後数週間以内に最初のフォローアップを行い、その後は定期的に状態を評価します。

入院から退院後の流れとリハビリについて

心臓手術を受ける患者さんの入院から退院後に至るまでのプロセスと、心臓リハビリテーションについては、入院中のケアから、退院後の生活への適応、心臓リハビリテーションを通じての健康回復と生活の質の向上まで、段階的に理解することが重要です。

  1. 入院から手術前まで
    術前検査、心機能評価、画像診断、全身状態の確認、手術説明、必要な準備を行います。
  2. 心臓手術から退院まで
    手術後は集中治療管理、呼吸・循環管理、創部管理、合併症の早期発見、徐々に身体を動かす準備が進められます。
  3. 退院後の生活上の注意点
    血圧管理、服薬管理、創部観察、定期受診、無理のない活動再開が重要になります。
  4. 心臓リハビリテーション
    医療者の指導のもとで運動耐容能の回復、再発予防、生活の質の向上を目指します。
医療情報に関する注意

本記事は、人工血管置換術(Total arch)に関する一般的な理解を助けるための情報です。 実際の治療方針、手術適応、術式選択、術後管理は、患者さんの状態、検査結果、施設の方針、担当医の判断によって異なります。 不安な点がある場合は、必ず主治医または医療機関にご相談ください。

よくある質問

こちらのコラムの内容の要点を、よくある質問として整理しています。

人工血管置換術とは何ですか?

人工血管置換術は、大動脈弓の重篤な疾患、たとえば動脈瘤や解離などを治療するために行われる高度な手術です。 この手術では、大動脈の病変部分を人工血管で置換し、破裂や不全灌流のリスクを減少させます。

大動脈弓の疾患にはどのようなものがありますか?

大動脈弓の疾患には、主に動脈瘤解離があります。 これらは血管壁の弱化によって発生し、心タンポナーデ、破裂、不全灌流など生命を脅かす状態を引き起こす可能性があります。

人工血管置換術の適応症は何ですか?

重篤な大動脈弓の動脈瘤や解離があり、特に大動脈解離が発生している場合、主に上行大動脈における原発部位に対して行われる裂孔指向手術が推奨されます。 また、若年者や大動脈弓の拡大が見られる場合、大動脈弓上血管に重度の解離がある場合、遺伝性大動脈疾患を有する場合などでは、全弓置換術(TAR)が選択されることが増えています。

人工血管置換術における脳保護戦略にはどのようなものがありますか?

脳保護戦略には、低体温療法、選択的脳灌流、脳波モニタリングがあります。 これらの方法は、手術中の脳への血流低下による脳梗塞などの神経学的合併症のリスクを低減するために用いられます。

人工血管置換術後の合併症にはどのようなものがあり、どのように管理されますか?

合併症には、出血、腎不全、呼吸不全、脳卒中、手術部位の感染などがあります。 これらは、手術前の詳細な評価、適切な血圧の維持、輸液管理、早期の呼吸器サポート、適切な血液製剤の使用、抗生物質投与、無菌技術の徹底、創部ケアなどにより管理されます。

参考文献・関連コラム

参考文献

株式会社増富の関連コラム

心疾患情報執筆者

心疾患情報執筆者

竹口 昌志

看護師

プロフィール

看護師歴:11年
《主な業務歴》
・心臓血管センター業務
(循環器内科・心臓血管外科病棟)
・救命救急センター業務
(ER、血管造影室[心血管カテーテル、脳血管カテーテル]
内視鏡室、CT・MRI・TV室など)
・手術室業務
・新型コロナウイルス関連業務
(PCR検査センター、コロナ救急外来、HCU、コロナ病棟、
コロナ療養型ホテル、コールセンター)