株式会社増富

高度管理医療機器等販売業 許可番号 第100327号

  • 心臓の基礎
  • 心疾患の基礎
  • 不整脈
  • 虚血性心疾患
  • 心臓弁膜症
  • 静脈系疾患
  • 動脈系疾患
  • 大動脈疾患
  • 先天性心疾患
  • その他心疾患
  • 心臓手術
  • カテーテル治療
  • 機械的補助循環装置
  • 入院~退院後の流れ
  • 心疾患に関する情報

虚血性心疾患

心疾患と栄養の関係

心疾患の基礎

心疾患と栄養

心疾患の簡単な概要

心疾患とは、心臓に影響を与える一連の病状を指します。これには冠動脈疾患(心臓の血管が狭くなるか詰まる状態)、心筋梗塞(心臓への血流が遮断される状態)、不整脈(心臓のリズムが異常になる状態)などが含まれます。これらの病状は、生活習慣や遺伝的要因によって大きく影響されます。

栄養が心疾患に与える影響

栄養は心疾患のリスクを増加させる要因の一つです。不健康な食生活は、高血圧、高コレステロール、肥満など、心疾患につながるリスクファクターを引き起こす可能性があります。一方で、バランスの取れた栄養摂取はこれらのリスクファクターを軽減し、心疾患の予防に寄与することが知られています。

心疾患の種類と栄養

心疾患は世界中で最も一般的な死因の一つであり、多様な形態で存在します。栄養は心疾患のリスクを減少させるだけでなく、既存の心疾患の管理にも重要な役割を果たします。以下では、主要な心疾患の種類とそれぞれの栄養管理について詳しく説明します。

冠動脈疾患(CAD)と栄養

冠動脈疾患(CAD)は、冠動脈の狭窄や閉塞が原因で心筋が十分な血液を受け取れない状態を指します。CADのリスクを減少させる栄養戦略には、飽和脂肪酸の摂取を減らし、不飽和脂肪酸の摂取を増やすことが含まれます。また、全粒穀物、果物、野菜、魚介類を多く含む地中海式食事がCADのリスクを減少させることが示されています。

心筋梗塞と栄養

心筋梗塞は、心臓への血流が急に遮断されることにより心筋が損傷を受ける状態です。心筋梗塞後の栄養管理は、心臓の回復を助け、再発のリスクを減少させることが目的です。高抗酸化物質、オメガ3脂肪酸、食物繊維を豊富に含む食品の摂取が推奨されます。また、ナトリウムの摂取を制限することも重要です。

不整脈と栄養

不整脈は、心臓のリズムが異常になる状態を指します。カフェインやアルコールの過剰摂取は一部の人に不整脈を引き起こす可能性があるため、これらの摂取を制限することが推奨されます。また、オメガ3脂肪酸を含む食品の摂取が不整脈のリスクを減少させる可能性があることが示唆されています。

心不全と栄養

心不全は心臓が体の需要に応じて十分な血液をポンプすることができない状態です。心不全の患者には、液体摂取量とナトリウム摂取量を制限することがしばしば推奨されます。これは、過剰な液体とナトリウムが体内に留まり、症状を悪化させる可能性があるためです。バランスの取れた食事、特に鉄分、カリウム、マグネシウムを適切に摂取することが重要です。

心疾患予防のための栄養

心疾患は健康的な食生活を通じてそのリスクを大幅に減少させることが可能です。以下の栄養ガイドラインは、心疾患の予防と全体的な心臓の健康を促進するための推奨事項を提供します。

心臓に良い影響を与える食事

心臓に良い影響を与える食事の基本は、バランスの取れた栄養素の摂取に重点を置くことです。これには、多くの果物と野菜、全粒穀物、低脂肪のたんぱく質源(豆類、魚、鶏肉)、そして健康的な脂肪を含む食品の摂取が含まれます。これらの食品は、心臓病のリスク要因である高血圧、高コレステロール、および炎症を減少させるのに役立ちます。

摂取を推奨する食品と栄養素

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸、特にオメガ3脂肪酸は、心臓病のリスクを減少させることが示されています。オメガ3脂肪酸は、サーモン、マグロ、トラウトなどの脂の多い魚、亜麻仁、ウォルナットに豊富に含まれています。

全粒穀物

全粒穀物は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富であり、心臓病のリスクを減少させるのに役立ちます。全粒小麦、玄米、オート麦、キヌア、雑穀などが良い選択肢です。

果物と野菜

果物と野菜は、ビタミン、ミネラル、食物繊維、および抗酸化物質が豊富で、心臓病のリスクを減少させることが示されています。多様な色と種類の果物と野菜を日々の食事に取り入れることが推奨されます。

制限すべき食品と栄養素

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、心臓病のリスクを高めることが知られています。これらは、一部の加工食品、ファーストフード、マーガリン、部分的に水素化された油に含まれています。これらの食品の摂取は極力避けるべきです。

加工肉と赤肉

加工肉(ベーコン、ソーセージ、サラミなど)と赤肉の過剰な摂取は、心臓病のリスクを高める可能性があります。これらの食品の摂取を制限し、代わりに植物由来のたんぱく質源や魚を選ぶことが推奨されます。

塩分と砂糖

高塩分および高砂糖の食品は、高血圧および心臓病のリスクを高める可能性があります。加工食品、ファーストフード、スナック菓子などに含まれる塩分と砂糖の摂取を減らすことが重要です。

特定の心疾患と栄養管理の詳細

心疾患のリスクを減少させるための栄養管理は、特定の健康状態に応じて異なります。高血圧、高脂血症、および糖尿病は、心疾患と密接に関連しているため、これらの状態を管理することは、心疾患のリスクを低減させる上で非常に重要です。

高血圧とナトリウム制限

高血圧は心疾患や脳卒中の主要なリスクファクターです。ナトリウムの摂取制限は、血圧を管理し改善するための重要な戦略です。

ナトリウム摂取の推奨量

成人の場合、1日のナトリウム摂取量を2,300mg未満に制限することが推奨されます。高血圧がある場合は、さらに低い摂取量が推奨されることがあります。

実践方法

加工食品や外食の消費を減らし、自宅での調理を増やして食材のナトリウム含有量をコントロールする。塩を使わない調味料で味付けを工夫する。

高脂血症と脂質の管理

高脂血症は、血中のコレステロールまたはトリグリセライドの異常に高いレベルを指し、心疾患のリスクを増加させます。

脂質の管理

飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取を減らし、不飽和脂肪酸の摂取を増やすことが重要です。オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚や、オリーブオイルなどの植物油を選びます。

食物繊維の重要性

 食物繊維は、特に可溶性繊維が血中コレステロールを下げるのに役立ちます。全粒穀物、果物、野菜、豆類を多く摂取しましょう。

糖尿病と心疾患のリスク管理

糖尿病は心疾患のリスクを大幅に高めます。血糖コントロールと心臓の健康を同時にサポートする栄養管理が必要です。

炭水化物の質と量の管理

血糖値の急激な上昇を避けるために、炭水化物の摂取量を管理し、全粒穀物や低GI(グリセミック指数)の食品を選びます。

健康的な脂肪の選択

不飽和脂肪酸の摂取を増やし、トランス脂肪酸および飽和脂肪酸の摂取を減らすことが、心臓の健康を守る上で重要です。

体重管理

適切な体重の維持は、糖尿病管理と心臓の健康の両方において重要です。

心疾患リスクを低減する生活習慣

心疾患のリスクを低減するためには、健康的な食生活だけでなく、適切な生活習慣の実践も非常に重要です。運動、ストレス管理、禁煙、およびアルコール消費の制限は、心臓の健康を保つために特に重要な要素です。

運動と心疾患

定期的な運動は、心疾患のリスクを大幅に減少させることができます。運動は血圧を下げ、体重管理を助け、良好なコレステロールレベルを維持するのに役立ちます。

推奨される運動量

 成人には、週に最低150分の中等度の強度の有酸素運動、または75分の高強度の有酸素運動、またはこれらの組み合わせが推奨されます。

運動の種類

歩行、ジョギング、サイクリング、水泳など、楽しめる活動を選ぶことが持続の鍵です。

ストレス管理と心の健康

ストレスは、高血圧や不健康な生活習慣への誘導など、心疾患のリスク要因と関連しています。ストレス管理は、心臓の健康を保つために不可欠です。

ストレス管理の方法

瞑想、深呼吸、ヨガ、趣味への時間を割くなど、ストレスを減少させるための活動を見つけることが重要です。

禁煙とアルコール消費の制限

喫煙は心疾患の主要なリスク要因です。一方で、適度なアルコール消費は一部の人において心臓に有益な効果があるかもしれませんが、過剰摂取はリスクを高めます。

禁煙のメリット

喫煙をやめることで、心疾患のリスクは喫煙者に比べて大幅に減少します。禁煙サポートプログラムやニコチン代替療法が役立つ場合があります。

アルコール消費

男性は1日に2杯まで、女性は1日に1杯までのアルコール摂取を推奨します。過剰摂取は避けるべきです。

入院~退院後の流れと、リハビリについて

心臓手術を受ける患者の入院から退院後に至るまでのプロセスと、心臓リハビリテーションについては以下のリンクをご参照ください。
入院中のケアから、退院後の生活への適応、そして心臓リハビリテーションを通じての健康回復と生活質の向上に至るまで、ご紹介しています。

まとめ

心疾患の予防と管理において、適切な栄養摂取と健康的な生活習慣がいかに重要であるかをご理解いただけたかと思います。食事の選択、運動、ストレスの管理、禁煙や適度なアルコール消費など、日々の生活の中で意識的に取り組むことが、心臓の健康を守り、心疾患のリスクを低減する鍵となります。

個々のニーズに合わせた食生活と生活習慣の改善には、医療提供者や栄養専門家との協力が不可欠です。自分自身の健康を最優先に考え、専門家の助言に耳を傾けながら、日々の生活の中で健康的な選択をしていきましょう。

よくある質問

心疾患予防に最も重要な栄養素は何ですか?

心疾患予防において重要な栄養素には、不飽和脂肪酸(特にオメガ3脂肪酸)、食物繊維、抗酸化物質が含まれます。これらは、冠動脈疾患のリスクを減少させ、全体的な心臓の健康をサポートすることが示されています。

心疾患患者はどのような食事を避けるべきですか?

心疾患患者は、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、過剰な塩分および砂糖、加工肉と赤肉の摂取を制限することが推奨されます。これらの食品は心臓病のリスクを高める可能性があります。

運動は心疾患にどのように役立ちますか?

定期的な運動は、血圧を下げる、体重管理を助ける、血液循環を改善する、および良好なコレステロールレベルを維持するのに役立ちます。これらはすべて、心疾患のリスクを減少させる要素です。

ストレスが心疾患に及ぼす影響は何ですか?

ストレスは、高血圧や不健康な食生活など、心疾患のリスクを高める要因に直接的に関連しています。ストレス管理は、心臓の健康を保つために重要です。

禁煙が心疾患リスクに与える影響は何ですか?

喫煙は心疾患の主要なリスク要因であり、禁煙は心臓病のリスクを大幅に減少させることができます。禁煙は血圧と心拍数を改善し、心臓への酸素供給を増加させることにより、心臓の健康を促進します。

関連記事

【参考文献】

・日本心不全学会ガイドライン委員会
心不全患者における栄養評価・管理に関するステートメント
https://www.asas.or.jp/jhfs/pdf/statement20181012.pdf

・公益財団法人長寿科学振興財団
心臓病(心筋梗塞・狭心症など)の予防のための食事とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/yobou-shinzou-shokuji.html

・一般社団法人 日本循環器協会
食事に気を付けよう
https://j-circ-assoc.or.jp/live/49/

心疾患情報執筆者

心疾患情報執筆者

増田 将

株式会社増富 常務取締役

プロフィール

医療現場支援歴:10年
《主な業務歴》
・医療現場支援歴:10年
・循環器内科カテーテル治療支援:3,000症例
・心臓血管外科弁膜症手術支援 :700症例
・ステントグラフト内挿術支援 :600症例