株式会社増富

高度管理医療機器等販売業 許可番号 第100327号

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虚血性心疾患

退院後の生活上の注意点

入院~退院後の流れ

心臓手術後の退院生活は、患者の状態や手術の種類によって異なりますが、医師や医療スタッフの指示に従い、患者と家族が安心して復帰できるように支援が必要です。心臓手術後は、手術後の病状について把握するために定期的な診察が重要です。退院後の生活上の注意点について説明します。

薬物療法

手術の内容や病状に応じて、生涯にわたって抗凝固薬などが処方されることがあります、血液検査のデータに基づいて処方内容や処方量をコントロールする必要があり、定期的な医師の診察を受けることが重要です。さらに、処方された薬剤によって副作用や相互作用があるため、他の薬剤やサプリメントを使用する際には、医師や薬剤師に相談することが必要です。

生活習慣の改善

手術後の回復期には、身体活動、喫煙、およびアルコール摂取に関する特定のガイドラインを遵守することが重要です。

運動制限

手術直後は、過度の身体活動を避ける必要がありますが、徐々に活動量を増やすことが推奨されます。運動の種類や強度は、患者の健康状態や手術の種類によって異なるため、個々の計画は医師の指示に基づいて調整してください。主な運動計画は以下の通りです。

初期段階 

最初の数週間は、軽い歩行などの低強度の活動から始めます。日常生活に戻るための基本的な体力をつけることが目的です。

中期段階

医師や物理療法士の指示に従い、徐々に運動強度を増やしていきます。この段階では、心臓のリハビリテーションプログラムが有効です。

長期目標

定期的な中強度の運動(例:速歩、水泳、サイクリング)を継続することが理想的です。これは心臓の健康を維持し、再発リスクを低減するために重要です。

食事と栄養

適切な食生活は、回復を促進し、将来の心血管疾患のリスクを低減するために重要です。

塩分制限

 高血圧は心血管疾患の主要なリスク因子であり、食塩の過剰な摂取は血圧を上昇させる原因となります。そのため、食塩摂取量を制限することが推奨されます。

実践方法

加工食品や外食での塩分の多い食事を避け、自宅での調理においては、ハーブやスパイスを用いて塩分の使用を減らすことが有効です。また、食品ラベルを確認し、低塩分の食品を選ぶことが大切です。

脂肪の質

心血管健康にとって、脂肪の種類が重要です。飽和脂肪やトランス脂肪の摂取を減らし、オメガ3脂肪酸などの不飽和脂肪を適量摂取することが勧められます。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、魚(特に脂ののった青魚)、亜麻仁油、ナッツ類に豊富に含まれています。これらは心血管健康を改善する効果があります。

避けるべき脂肪

飽和脂肪は動物性脂肪(赤身の肉、バター、クリーム)に多く含まれています。トランス脂肪は、特に一部のマーガリンや加工食品、ファストフードに含まれているため注意が必要です。

禁煙とアルコール制限

喫煙は心血管疾患のリスクを顕著に高めるため、手術後は完全な禁煙が強く推奨されます。禁煙支援プログラムやニコチン代替療法が有効な場合もあります。過度のアルコール摂取は心臓に負担をかけ、心血管疾患のリスクを増加させるため、制限が必要です。一般的には、男性は1日2杯、女性は1日1杯以下が推奨されますが、医師の指示に従いましょう。

心臓手術後の食事療法は、患者の健康状態や手術の種類に応じて個別に調整されるべきですが、これらの一般的なガイドラインは全ての患者にとって有用です。栄養バランスのとれた食事は、心臓の健康を維持し、再発のリスクを低減する上で不可欠です。

体重管理

体重の増加は心臓への負担を増加させ、高血圧、糖尿病、高脂血症など、心血管疾患のリスクを高める可能性があります。したがって、適切な体重管理は、心臓の健康を維持する上で重要です。

管理方法

定期的な運動とバランスの良い食事は、体重管理の基本です。運動は週に数回、中強度の活動(歩行、サイクリング、水泳など)を行うことが推奨されます。食事面では、高繊維食品、新鮮な果物や野菜、全粒穀物、低脂肪のタンパク質源を取り入れることが大切です。

急変時の対処

手術後の回復期間中は、患者の体調に変化があった場合に速やかに医療機関に連絡し、適切な処置を受けることが非常に重要です。

急変時の対処法

症状を識別する

手術後に注意すべき症状には、胸痛、呼吸困難、意識の混濁、脚の腫れ、不整脈、持続する高熱などがあります。これらは、合併症や再発の兆候である可能性があります。

速やかな行動

これらの症状が現れた場合は、直ちに医療機関に連絡することが重要です。特に、胸痛や呼吸困難は緊急を要する可能性があるため、速やかに救急医療サービスを利用することが勧められます。

必要な情報の提供

医師に連絡する際には、現在の症状、手術の詳細、現在服用している薬、最近の健康状態の変化など、関連する情報を提供することが役立ちます。

緊急事態における準備

緊急連絡先をいつも手元に

手術を受けた病院や担当医師の連絡先を常に手元に置いておくことが重要です。また、家族や近くの人々にもこれらの情報を知らせておくと良いでしょう。

医療情報をすぐに提示できるように

患者自身の医療情報(手術の種類、処方薬、アレルギーの有無など)をすぐに提示できるようにしておくことが推奨されます。

退院後については個々の患者の具体的な状況に応じて、医師や医療スタッフより個別の指導が行われます。患者と家族は、退院後の生活において医師の指示に従い、定期的なフォローアップを受けることが重要です。

よくある質問

こちらのコラムの内容の要点を「よくある質問」からまとめています。

手術後の薬物療法について教えてください。

手術後は、血液検査に基づき抗凝固薬などが処方されます。処方内容や量は定期的な医師の診察によってコントロールされます。副作用や相互作用に注意し、他の薬剤やサプリメントを使用する際は医師や薬剤師と相談が必要です。

手術後の生活習慣の改善にはどのような点が含まれますか?

手術後は、身体活動のガイドラインに従うこと、喫煙を避けること、アルコール摂取を制限することが重要です。これにより、心臓の健康を維持し再発リスクを低減します。

食事療法において特に注意すべき点は何ですか?

塩分摂取の制限、脂肪の質に注意し、飽和脂肪やトランス脂肪の摂取を減らすことが重要です。オメガ3脂肪酸のような不飽和脂肪を適量摂取し、全体的に栄養バランスのとれた食事を心がけることが勧められます。

体重管理は手術後の回復にどのように影響しますか?

体重管理は心臓の健康を維持し、高血圧、糖尿病、高脂血症などのリスクを低減します。適切な体重管理には、定期的な運動とバランスの良い食事が基本です。

手術後、体調に急変があった場合どのように対応すべきですか?

胸痛、呼吸困難、意識の混濁、脚の腫れ、不整脈、持続する高熱などの症状が現れた場合は、直ちに医療機関に連絡することが重要です。緊急を要する症状の場合は、救急医療サービスを利用してください。

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心疾患情報執筆者

心疾患情報執筆者

竹口 昌志
看護師

プロフィール

看護師歴:11年
《主な業務歴》
・心臓血管センター業務(循環器内科・心臓血管外科病棟)
・救命救急センター業務(ER、血管造影室(心血管カテーテル、脳血管カテーテル)
 内視鏡室、CT・MRI・TV室など)
・手術室業務
・新型コロナウイルス関連業務
(PCR検査センター、コロナ救急外来、HCU、コロナ病棟、コロナ療養型ホテル、コールセンター)