「不整脈」の基礎解説記事を 最新ガイドラインに合わせて更新しました
当社の心疾患コラム 「不整脈」を、 日本循環器学会・日本不整脈心電学会の 最新ガイドラインや 2024年ESC心房細動ガイドラインなどを踏まえて 大幅に更新しました。
不整脈とは、 心臓を動かしている電気信号の発生や伝わり方に変化が起こり、 脈が速くなる、遅くなる、 タイミングが乱れる状態の総称 です。
一口に「不整脈」といっても、 健康な方にもみられる期外収縮から、 脳梗塞リスクに関係する心房細動、 突然の心停止につながる心室細動まで、 種類によって危険度や必要な治療は大きく異なります。
今回の主な更新ポイント
心房細動、期外収縮、 徐脈、心室頻拍・心室細動などを 危険度も含めて整理しました。
12誘導心電図、 ホルター心電図、 長時間心電図、 ウェアラブル機器などを紹介しています。
心房細動の最新管理、 PFA、ペースメーカー、 ICDまで内容を更新しました。
今回の記事では、 まず のように健康な方にもみられることがある不整脈と、 治療や緊急対応が必要となる不整脈の違いを 分かりやすく整理しています。
なかでも詳しく解説したのが、 です。
心房細動では、 脈の速さや動悸だけでなく、 心房内で血栓が形成され、 脳の血管へ移動することによる 脳梗塞リスク を評価することが重要です。
2024年ESC心房細動ガイドラインでは、 心房細動の治療を という考え方で整理しています。
これは、 「高血圧や肥満などの併存疾患管理」 「脳卒中・血栓塞栓症の予防」 「心拍数・リズム管理」 「継続的な再評価」 を組み合わせて 心房細動を総合的に管理する考え方です。
検査についても、 病院で行う通常の心電図だけではなく、 や長時間心電図、 イベントモニターなどについて 詳しく追加しました。
不整脈は発作が一時的なことも多く、 受診した時には正常な心電図へ戻っている場合があります。 そのため、 症状が起きた瞬間の心電図を記録すること が診断の大きな手がかりになります。
スマートウォッチや携帯型心電計など、 日常生活中の脈や心電図を確認できる機器についても 今回新たに解説しています。
治療については、 をはじめ、 近年普及が進んでいる についても追加しました。
PFAは パルスフィールドアブレーションの略で、 非常に短い電気パルスを利用して 不整脈の原因となる心筋を治療する 比較的新しいアブレーション方法です。
また、 脈が遅くなる徐脈性不整脈については、 が必要になるケースと、 単に心拍数が低いだけでは ペースメーカーが必要とは限らないことも 分かりやすく整理しました。
さらに、 心室から発生する危険な不整脈については、 や についても詳しく解説しています。
記事ではこのほか、 不整脈と高血圧・肥満・糖尿病・睡眠時無呼吸との関係、 飲酒やカフェインとの付き合い方、 遺伝性不整脈、 日常生活で気をつけたいポイントについても 最新情報を踏まえて整理しています。
「脈が飛ぶことがある」 「突然ドキドキする」 「健診で不整脈を指摘された」 「スマートウォッチから不整脈の通知が届いた」 「心房細動やアブレーションについて知りたい」 という方は、 ぜひご覧ください。
専門用語をやさしく解説
本文中の青い点線の専門用語は、 クリック・タップすると意味を確認できます。 以下の一覧からも開けます。
参考:
JCS/JHRS 2024 Guideline Focused Update on Management of Cardiac Arrhythmias
2024 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation
日本循環器学会 診療ガイドライン
※本お知らせおよび解説記事は、 不整脈に関する一般的な医療情報の提供を目的としています。 不整脈の治療方針は、 不整脈の種類、 症状、 年齢、 心機能、 基礎心疾患、 脳梗塞リスク、 突然死リスクなどによって異なります。 抗不整脈薬や抗凝固薬などを 自己判断で開始・中止・変更しないでください。
期外収縮
本来のタイミングより早く 心拍が起こる不整脈です。
心房から発生する 心房期外収縮と、 心室から発生する 心室期外収縮があります。 健康な方にもみられることがあり、 「脈が飛ぶ」 「一瞬止まった感じがする」 「ドクンと強く打つ」 と感じることがあります。
心房細動(AF)
心房が無秩序に電気興奮し、 脈が不規則になる不整脈です。
動悸、 息切れ、 疲労感などが出ることがありますが、 症状がないまま 健診などで発見されることもあります。 重要な問題の一つが、 心房内にできた血栓による 脳梗塞です。
AF-CARE
2024年ESC心房細動ガイドラインで示された、 心房細動を総合的に管理する考え方です。
C:
Comorbidity and risk factor management
高血圧、肥満、糖尿病、
睡眠時無呼吸などの管理。
A:
Avoid stroke and thromboembolism
脳卒中・血栓塞栓症を予防。
R:
Reduce symptoms by rate and rhythm control
心拍数や心臓のリズムを管理。
E:
Evaluation and dynamic reassessment
治療効果やリスクを継続して再評価します。
ホルター心電図
小型の心電計を装着し、 日常生活中の心電図を 長時間記録する検査です。
通常の12誘導心電図は 短時間しか記録しないため、 一時的にしか起こらない不整脈を 捉えられないことがあります。 ホルター心電図では 睡眠中や仕事中なども含めて 心電図を記録できます。
カテーテルアブレーション
不整脈の原因となる 異常な電気信号や電気回路を カテーテルで治療する方法です。
脚の付け根などの血管から 細いカテーテルを心臓まで進め、 不整脈の原因となる場所に エネルギーを加えて治療します。 心房細動、 心房粗動、 上室性頻拍、 一部の心室性不整脈などで 行われます。
PFA
Pulsed Field Ablation、 パルスフィールドアブレーションの略です。
非常に短い高電圧の 電気パルスを利用して、 心筋細胞に 不可逆的電気穿孔を起こすことで 不整脈の原因となる組織を治療します。 高周波や冷凍とは異なり、 非熱的なエネルギーを利用する点が特徴です。
ペースメーカー
心拍が必要以上に遅くなった時に、 心臓へ電気刺激を送る装置です。
洞不全症候群や 高度・完全房室ブロックなどによって、 めまい、 失神、 心不全などが起こる場合に 使用されることがあります。
心室細動(VF)
心室が無秩序に電気興奮し、 全身へ血液を送り出せなくなる 致死性不整脈です。
心室細動が起こると 有効な心拍出がなくなり、 実質的に心停止の状態となります。 直ちに胸骨圧迫を開始し、 AEDや医療用除細動器による 除細動が必要です。
植込み型除細動器(ICD)
危険な心室頻拍や心室細動を 自動的に検出し、 治療する植込み型デバイスです。
ICDは心臓のリズムを監視し、 危険な心室頻拍・心室細動を検出すると、 速いペーシングや 電気ショックによって 不整脈を停止させます。
